百間川一の荒手改築現場レポート
職人技が光る巻き石の復元
2018.3.29 thu.@百間川一の荒手改築
昨年(2017年)9月に始まった百間川一の荒手改築工事(国土交通省中国地方整備局岡山河川工事事務所)。きびしい寒さが続いた1月、2月を乗り越え、今、工事最大のヤマともいえる「巻石(亀の甲)復元」の工事が急ピッチで進められています。
この復元作業は、江戸時代に造られた越流堤を改修、復元するために、全長約180メートルの堤をいったん解体し、基礎部分を固め、もとあった堤のように再度石を積み上げるという作業です。
現場には、1個100キロ近くある石一つひとつに番号を書いたシールが貼られ、一つひとつ元あったようにかまぼこ型の堤に積み上げられています。
「なだらかな表面に積み上げていくために、一つひとつの石を置いては、微調整をくり返しながら位置を決め、固めていきます。まさに職人技。京都から職人さんに来てもらい、1カ月以上にわたり気を抜けない作業が続きます」と、監理技術者の塩津賢祐所長。
周辺部の整備を含め、現在5つの業者の25人から30人が行う作業を束ねています。
貴重な歴史的建造物でもある堤なので、見学者もたくさん訪れているそうです。
そうした対応も現場担当者たちの大切な仕事。
「現場を引っ張って行ってくれる頼れる存在」と、塩津所長が信頼を寄せる甲田収さんは、入社6年目の春を迎える現場代理人。「作業の段取りなど毎日たいへんですが、やりがいのある仕事ですし、おもしろいですよ」と話す。
昨年入社した高野祐矢さんを指導しながら、広い現場を飛び回っている。